補助金の概要
IT導入補助金は以下の3つの枠に分かれています。
①通常枠(A・B類型)
中小企業・小規模事業者が自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する経費の一部を補助することで、業務効率化・売上アップをサポートするものです。自社の置かれた環境から強み・弱みを認識、分析し、把握した経営課題や需要に合ったITツールを導入することで、業務効率化・売上アップといった経営力の向上・強化を図っていただくことを目的としています。
②セキュリティ対策推進枠
中小企業・小規模事業者等のみなさまがサイバーインシデントが原因で事業継続が困難となる事態を回避するとともに、サイバー攻撃被害が供給制約・価格高騰を潜在的に引き起こすリスクや生産性向上を阻害するリスクを低減することを目的としています。
③デジタル化基盤導入枠
中小企業・小規模事業者等のみなさまが導入する会計ソフト・受発注ソフト・決済ソフト・ECソフトの経費の一部を補助することで、インボイス対応も見据えた企業間取引のデジタル化を推進することを目的としています。
IT導入補助金の対象
対象は中小企業、小規模事業者に限定されています。
その業種により定義は異なるので、自社は対象となるのか下の表よりご確認ください。
業種・組織形態別中小企業者の定義
業種・組織形態 | 資本金 | 従業員 | |
(資本の総額又は出資の総額) | 常勤 | ||
![]() | 製造業、建設業、運輸業 | 3億円 | 300人 |
卸売業 | 1億円 | 100人 | |
サービス業 (ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く) | 5,000万円 | 100人 | |
小売業 | 5,000万円 | 50人 | |
ゴム製品製造業 (自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業 並びに工業用ベルト製造業を除く) | 3億円 | 900人 | |
ソフトウェア業又は情報処理サービス業 | 3億円 | 300人 | |
旅館業 | 1億円 | 200人 | |
その他の業種(上記以外) | 3億円 | 300人 | |
医療法人、社会福祉法人、学校法人 | ー | 300人 | |
商工会・都道府県商工会連合会及び商工会議所 | ー | 100人 |
業種・組織形態別小規模事業者の定義
業種分類 | 従業員 |
常勤 | |
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く) | 5人以下 |
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 | 20人以下 |
製造業その他 | 20人以下 |
各枠ごとの補助率と補助額
通常枠 | セキュリティ対策推進枠 | デジタル化基盤導入枠 | |||
A類型 | B類型 | デジタル化基盤導入類型 | |||
補助対象経費区分 | ソフトウェア購入費・クラウド利用料(最大2年分)・導入関連費 | サービス利用料(最大2年分) | ソフトウェア購入費・クラウド利用料(最大2年分)・導入関連費 | ||
補助率 | 1/2以内 | 1/2以内 | 3/4以内 | 2/3以内 | |
上限額・下限額 | 5万円〜150万円未満 | 150万円〜450万円以下 | 5万円〜100万円 | (下限なし)〜50万円以下 | 50万円超〜350万円 |
ハードウェア購入費 | PC・タブレット・プリンター・スキャナー・複合機:補助率1/2以内、補助上限額10万円 |
レジ・券売機等:補助率1/2以内、補助上限率20万円 |
対象経費
以下の3点を満たした経費のみが補助対象となります。
・使用目的が補助事業遂行に必要だと明確に分かる経費
・補助金採択の交付決定日以降に発生し、対象期間中に支払いが完了した経費
・証拠資料等によって支払金額が確認できる経費
ソフトウェア購入費
クラウド利用料
導入関連費
デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)では、上記に加えハードウェア購入費も対象になります。
申請要件
IT導入補助金は導入するITツールのプロセス数(業務工程や業務種別)によって、申請できる枠が異なります。プロセス数は改善したい業務数等に応じて変化しますが、ほとんどのケースでは2プロセス以上になるため、B類型での申請が多くを占めています。
①通常枠
・A類型:1プロセス以上が必要。
・B類型:4プロセス以上が必要。
②セキュリティ対策推進枠
独立行政法人情報処理推進機構が公表する「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に掲載されているサービスを利用する必要があります。
③デジタル化基盤導入枠
・デジタル化基盤導入類型:ITツール、PC・タブレット、レジ・券売機とこれらを導入するためのソフトウェア、クラウド利用料金などの導入に関連する費用が対象となります。
・複数社連携IT導入類型:導入の対象経費はデジタル化基盤導入類型と同様ですが、複数の企業が連携をして導入する必要があります。その場合の補助上限額は50万円×グループ構成員数、補助率は2分の3以内です。
申請から交付までの流れ
①IT導入支援事業者に相談し、導入するツールを決定する。
公式のHPから認定ITツールや導入支援事業者を見比べ自社に適したツールを選定しましょう。
②申請書類の作成
申請項目は複雑で、書類作成のハードルも高いです。助言を得ながら丁寧に書類を作成しましょう。
③申請
④採択決定
⑤IT導入支援事業者のサポート受けながら補助事業を開始する。
採択が決定したらいよいよ補助事業の開始となります。申請した内容に沿って適切に導入を進めましょう。
⑥補助金の交付
IT導入補助金は他の補助金とは異なりIT導入支援事業者のサポート受け、申請を行わなければなりません。また、審査の観点にはさまざまな基準があるため、それぞれのポイントを押さえて申請書類を作成する必要があります。適当な支援事業者に依頼をしてしまうと適切なサポートを受けられないだけでなく、補助金自体を受け取れなくなってしまいます。
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採択例
飲食店S様(飲食業)【HP作成、予約システムと注文システム、その周辺機器を導入】
通常枠B類型での申請 補助金額270万円
・HP作成70万円
・予約システム導入費70万円
・注文システム導入費80万円
・周辺機器購入費15万円
・導入のための環境整備・コンサルティング費25万円
計270万円のうち2分の1が補助され、実質135万円でのHP作成、注文システム、予約システム導入を実現。
自動車整備工場R様【デジタル化に対応するための自社アプリ開発とHP作成】
通常枠B類型での申請 補助金額323万円
・アプリ開発費600万円
・HP作成費60万円
・導入のためのコンサルティング費50万円
計710万円のうち323万円が補助金の対象となったためで、実質387万円でアプリ開発と新規HP作成を実現。