事業再構築補助金の成長枠はどんな事業が対象?

事業再構築補助金はそれまで行っていた事業とは異なる新たな事業をスタートする際に活用できる補助金です。申請枠は「成長枠」「グリーン成長枠(エントリー)」「グリーン成長枠(スタンダード)」「卒業促進枠」「大企業賃金引上促進枠」「サプライチェーン強靭化枠」「産業転換枠」「最低賃金枠」「物価高騰対策・回復再生応援枠」のという8つの枠があり、それぞれ対象となる事業や費用が異なります。
本記事では8つの枠のうち、比較的多くの事業者にとって申請の要件が適用しやすい「成長枠」について解説します。

目次

成長枠の概要

成長枠は事業再構築補助金の中で最もスタンダードな類型です。また、一定の要件を満たすことでさらに補助率を引き上げることや卒業枠、大型賃金引上促進枠のいずれかに併せて申請することが可能になります。
補助金額:
【従業員数20人以下】100万円~2,000万円
【従業員数21~50人】100万円~4,000万円
【従業員数51~100人】100万円~5,000万円
【従業員数101人以上】100万円~7,000万円
補助率:中小企業等1/2、中堅企業等1/3(大規模な賃上げを行う場合はそれぞれ2/3、1/2となります。)
補助事業期間:交付決定日~12か月以内(交付候補者の採択発表日から14か月後まで)
第11回事業再構築補助金の公募期間は令和5年8月10日~令和5年10月6日18:00までです。
申請が採択され、実際に補助金が交付されるのは補助事業期間の終了後となります。

対象となる事業者

対象となる事業者は以下の通りです。

スクロールできます
業種資本金従業員数
(常勤)
製造業、建設業、運送業3億円300人
卸売業1億円100人
サービス業
(ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く)
5,000万円100人
小売業5,000万円50人
ゴム製品製造業
(自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業
並びに工業用ベルト製造業を除く)
3億円900人
ソフトウェア業又は情報処理サービス業3億円300人
旅館業1億円200人
その他の業種(上記以外)3億円300人


補助対象経費

・建物費 新築の必要性について認められた場合のみ。
①補助事業のために使用される事務所、生産施設、加工施設、販売施設、検査施設、共同作業場、倉庫その他事業計画の実施に不可欠と認められる建物の建設・改修に要する経費
②補助事業実施のために必要となる建物の撤去に要する経費
③補助事業実施のために必要となる賃貸物件等の原状回復に要する経費
➃貸工場・貸店舗等に一時的に移転する際に要する経費(貸工場・貸店舗等の賃借料、貸工場・貸店舗等への移転費等)
・機械装置・システム構築費
①補助事業のために使用される機械装置、工具・器具(測定工具・検査工具等)の購入、製作、借用に要する経費
②補助事業のために使用される専用ソフトウェア・情報システム等の購入・構築、借用に要する経費
③①又は②と一体で行う、改良・修繕、据付け又は運搬に要する経費
・技術導入費
本事業遂行のために必要な知的財産権等の導入に要する経費
運搬料、宅配・郵送料等に要する経費
・専門家経費
本事業遂行のために依頼した専門家に支払われる経費
・運搬費
運搬料、宅配・郵送料等に要する経費
・クラウドサービス利用費
クラウドサービスの利用に関する経費
・外注費
本事業遂行のために必要な加工や設計(デザイン)・検査等の一部を外注(請負、委託等)する場合の経費
・知的財産権等関連経費
新製品・サービスの開発成果の事業化にあたり必要となる特許権等の知的財産権等の取得に要する弁理士の手続代行費用や外国特許出願のための翻訳料など知的財産権等取得に関連する経費
・広告宣伝・販売促進費
本事業で開発又は提供する製品・サービスに係る広告(パンフレット、動画、写真等)の作成及び媒体掲載、展示会出展(海外展示会を含む)、セミナー開催、市場調査、営業代行利用、マーケティングツール活用等に係る経費
・研修費 補助対象経費総額の1/3を上限とする。
本事業の遂行のために必要な教育訓練や講座受講等に係る経費

成長枠と併せて申請できる枠

通常枠に申請を行う場合、卒業促進枠または大規模賃金引上促進枠に併せて申請を行うことで、補助上限枠を大幅に引き上げることができます。(同時に卒業促進枠、大規模賃金引上促進枠の両方を申請することはできません。)
対象費用は通常枠に準じたものであるため、枠ごとの要件を満たすことで追加の補助金を受けることができます。

卒業促進枠

【卒業要件】補助事業終了後3~5年で、主に従業員数と資本金額によって決定する事業規模を拡大し、それまでの企業規模から卒業する必要があります。
補助金額:成長枠の補助金額上限に準じる。

大規模賃金引上促進枠

【賃金引上要件】要件補助事業終了後3~5年間、事業場内最低賃金を年額45円以上引き上げる必要があります。
【従業員増員要件】補助事業終了後3~5年間、従業員数を年率平均1.5%以上増員する必要があります。
補助金額:100万円~3,000万円

申請から交付までの流れ

①交付申請
始めたい事業がどの類型の対象となるのかを確認しましょう。申請のためには事業計画書を作成する必要がありますが、必要な手順も多く煩雑であるため、個人で行う場合はかなりの時間を見積もっておくべきです。
②採択決定
申請が採択されたのちは事業計画書に沿って補助事業を開始します。
③遂行状況報告
補助事業が事業計画通りに遂行されているか現地調査が行われる場合もあります。天災や業績の悪化などの場合を除き、補助事業が計画通りに遂行されていないと判断されると、補助金の返還を求められることもあります。
④実績報告
計画の期間が終了したのち、事業の実績報告を行う必要があります。付加価値の増加や賃上げの要件を達成していない場合は補助金が交付が取り消されるケースもあります。
⑤精算払請求
計画通りに事業が遂行されたことが確認されると、補助金が交付されます。

まとめ
・成長枠は事業再構築補助金の中で最もスタンダードな申請枠である。
・成長枠と併せて申請することで補助上限を引き上げることができる。

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